シタールの構造

投稿者: sitar-house 投稿日:

1)胴体

お寿司の材料である「かんぴょう」の基の「ひょうたん系の(夕顔の)実・ふくべ」を用いる。インドでは「トゥンバ」と呼ばれる。30cmの高さから落としても直ぐ割れてしまう。アルミ製、ファイバー製、木製も試みられましたが、トゥンバの音色には敵わないと言われます。

楽器店の軒下で乾燥中のトゥンバ

2)棹などの木製部分

インド独特の「トゥン材、シーシャム材、ビルマ・チーク材」などが良材とされます。日本の三味線でも高級材とされる「花梨」に極似します。インディアン・ローズウッド(紫檀)とマホガニーの中間的な硬さと性質の材で、結構木目に沿って割れ易い性質です。その為、製作時の木目・材選びの良し悪しと演奏者の扱いによっては「棹にクラックが走る」ことがあります。

シタールの棹は、総数18~20本の弦の聴力に「耐えるように作る」と音は悪くなります。(響きが悪い)よって、ある程度の高級器は「経年変化で順反りする」のが常識です。

以前、お客さまで「シタールは、構えた時と床に水平に置いた時では弦の音程が変わるのが当たり前」と信じている人(何処かで誰かが吹聴したガセでしょう)が居ましたが、高級器ではほとんどあり得ないことです。

3)フレット

フレットの太さと幅(棹の幅と同じ)は、前述の「ガヤキアング(声楽の模倣)」が流行した後に、余韻を伸ばすために「より太く」「より幅広く」なりました。その分、楽器全体が重くなりましたが、現代ではマイクに頼るので、支障にはなっていません。

フレットは、最高級の楽器でもない限り、かなりいい加減に取り付けられ「駒を高くすること」でごまかしている製作者がほとんどです。演奏操作性で考えれば、それを正し、弦高を適正に下げることが必然でしょう。

4)駒

駒は、「びよーん」といった感じの「サワリ音」を出す為、「板状」になっています。この部分は、「上級品:鹿の角製」「並級品:ラクダか水牛の骨」の二種が古くからあり、1980年代からは「黒檀」が「音が柔らかい」と好まれています。しかし、「黒檀、角、骨」の順に柔らかいので、弦の圧力で溝が出来てしまい「サワリ音」が悪くなります。これを「再調整」することを、日本の三味線・琵琶では、「サワリ取り」と言いますが、インドでは「ジャワリ調整」と言います。

5)糸巻

「クンティー」と呼ばれる糸巻は、大型の七つの大型の「主弦用:メイン・クンティー」と11本~13本の小型の「共鳴弦用:タラーブ・クンティー」の二種があります。いずれも、空洞の棹の向こう(糸巻の先端側が刺さる)と手前(糸巻のつまみ側が止まる)の穴で、5mm前後の板幅で止まっています。それらは以下の調子があります。

●糸巻が緩い 直ぐに音が狂う。日本の冬季・乾燥期に起こりがち。押し込んで調整する。

●糸巻が硬い 無理にまわすと糸巻が折れる。梅雨頃に起こりがち。反対側を円材を当てて槌で打つ。

基本的に押し込んで用いる為、押し込み過ぎたり、長年使っていると向こう側に出て来てしまい、左手の邪魔になるので切らねばなりませんが、次第に糸巻が短くなってしまいます。

6)弦

弦は、「鉄弦:ピアノ線」「銅弦:りんせい銅」「真鍮弦」があり、後二者は柔らかく、緩く張らないと切れます。弦の端は自分で「輪」を作らねばなりませんが、下手に捻ると、その部分が金属疲労を起こして切れます。弦が直ぐ切れる場合は、切れる部位によってその原因が異なります。

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